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イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館 [美術館]

フェンウェイパークでの野球観戦のついでに、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館に寄ってみました。

Isabella Stewart Gardner Museum



この美術館はボストン美術館とも至近距離にあるので、美術館のはしごができます。
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また、ボストン市内を移動すには公共交通機関が発達しているので、地下鉄とバスの共通1日券(One Day Pass)を買っておくと、非常に便利でお徳です。
(地下鉄の切符売り場の自販機で購入できます)

イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館は、ボストンの大富豪ジョン・ローエル(通称ジャック)・ガードナーの夫人であり、美術品に関する優れた眼識を持ち、米国における著名なコレクターでもあります。
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美術品は中世~ルネサンス期のヨーロッパ美術を中心に、日本の屏風・板画までありました。
美術館は4階建てで、中庭に回廊と各部屋が取り巻き、三階までが収集した展示スペースとなっています。
ここの中庭の美しさも美術館の自慢の一つです。
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館内は、ラファエロルームとかダッチルームとか夫々呼び名がついていて、それに合った美術品が展示してあります。
ダッチルームには若き日のレンブラントの自画像がありました。
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ただ、難点は館内の写真撮影が禁じられていることです。
(内部及び作品はポストカードがら転載したものです)

また、各作品には画題を含めて一切の解説や説明がありません。
もっとも夫人が生前に展示したそのままの形で美術館が受け継いでいるのですから、解説や説明が無いのは当然かもしれません。
これはNYのフィリックコレクションやフィラデルフィアのバーンズコレクションも同じことが言えます。

ここにはかつて、フェルメールの「合唱」がありました。
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しかし、1990年に盗難にあったまま戻っていません。
Piccoにとっても見れないのは心残りでした。







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メトロポリタン美術館 ニューヨーク / THE METROPOLITAN MUSEUM [美術館]

ニューヨーク近郊にいるのなら、一度は訪れないといけない場所のひとつ、

メトロポリタン美術館を訪れました。


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セントラルパークの東にあるメトロポリタンは、広さは約2万平方メートルにも及び、ヨーロッパ絵画、アメリカ絵画、20世紀美術、古代オリエント美術、アジア美術、ギリシャ・ローマ美術、エジプト美術、武器甲冑、服飾から楽器にいたるまでありとあらゆる美術品を網羅した、博物館の集合体のような美術館です。

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エントランスを入ると巨大なホールがあり、インフォメーション、チケット売り場があります。
世界有数の美術館だけあって、ホールはたくさんの観光客でごった返していました。

やみくもに歩いていると、ただ疲れるだけなので、まずは見たいところを絞り込みます。
残念ながらアメリカ美術部門が来年春まで改修のため、見ることができませんでした。
今回はオーソドックスにヨーロッパ絵画から見ることにしました。

ちょうど、「ギュスターヴ・クールベ」の特別展が開催されていました。
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ギュスターヴ・クールベ(1819-1877)は、当時の保守的で伝統的な画壇に真っ向から逆らい、あるものをありのままに描くという写実主義を貫いた画家です。美化されることなく描かれた数々の絵画は痛烈な批判を浴びたそうです。
フィラデルフィア美術館にもこの作品があります。
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これらの作品のように、憂いが全面に押し出され、不安定な感情がむき出しな絵画は、現代になって評価され、多くの人の共感を得ることとなっているようです。

フェルメール(1632 - 1675)の作品は、現在全世界に37点あるとされてあり、そのうちの5点がここメトロポリタンに収蔵されているそうです。事前準備が乏しかったので、残念ながら4点しか確認できませんでした。
3.jpg 水差しを持つ若い女
4.jpg 若い女の肖像
5.jpg 窓辺でリュートを弾く女
6.jpg眠る女

この女性の頭部向かって左上に「V Mer」とサインがあります。


以下、代表的な作品の一部です。
8.jpgレンブラント(1606 - 1669)
肖像画

レンブラントは自身の肖像画を10年おきに12点描いたそうです。この作品は1660年に描かれました。
9.jpgピカソ(1881 - 1973)
盲人の食卓

ピカソの「青の時代」と呼ばれている画風のときの代表作でしょう。
11.jpgルノワール(1841 - 1919)
ジョルジュ・シャルパンティエ婦人と子供たち、ジョルジェトとポール
12.jpgルノワール(1841 - 1919)
花を持つ少女
13.jpgゴッホ(1853 - 1890)
麦わら帽子の自画像
16.jpgゴッホ(1853 - 1890)
ルーラン夫人ゆりかごを揺らす女

ゆりかごを揺らすための紐を持つ婦人の肖像画です。この作品は5点の連作で、アメリカではメトロポリタンの他、ボストン美術館とシカゴ美術館に収蔵されているそうです。
17.jpgゴッホ(1853 - 1890)
糸杉
14.jpgマネ(1832 - 1883)
舟遊び
15.jpgモネ1840 - 1926)
サンタドレスの庭園
18.jpgスーラ(1859 - 1891)
[グランド・ジャット島の日曜日]のための習作


館内まだまだ見たい箇所もあるので、今後何度か足を運ぶことになりそうです。
ショップで日本語版の「メトロポリタン美術館ガイド」を購入したので、次からは事前準備をしてから訪れたいと思います。
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フリーダ・カーロ展(フィラデルフィア美術館) / Frida Kahlo  [美術館]

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フィラデルフィア美術館でフリーダ・カーロ展(2008年2月20日~5月18日)が行われているので行ってきました。



その前に・・・
昨年東京で行われていた「フィラデルフィア美術館展」にて展示されていた絵画たちも戻ってきていました。
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フリーダ・カーロ(1907~1954)は、メキシコで最も有名な画家と言われているそうです。その生涯は映画化されています。
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作品を見るにあたっては、彼女の激動の人生の物語を知ることが必要不可欠な要素と言えましょう。会場もまずはフリーダと彼女をめぐる人々の写真と、作品の二部構成になっていました。

フリーダ・カーロは6歳でポリオを患い、18歳の時に交通事故に遭い、瀕死の重傷を負いました。全身を酷く傷つけ、生涯その後遺症に苦しめられたそうです。その痛みと苦しみはしばしば絵によって表現されています。
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入院中に絵を描くようになったフリーダは、創作に並々ならぬ執念を持ち、不自由な上半身をつるし上げ、あごを固定した状態で絵を描いていたそうです。
退院すると、メキシコ芸術界に入り、折りしも世界に吹き荒れた社会主義革命にも傾倒、メキシコ共産党に入党しました。(後に離党)そのときにメキシコの有名な壁画家ディエゴ・リベラ(1886~1957)に出会い、1928年に二人は結婚しました。
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結婚後もディエゴ・リベラは多くの女性と浮名を流し、フリーダの妹とも関係しフリーダを苦しめましたが、フリーダ自身も、ロシアの革命家トロツキーや日系アメリカ人彫刻家イサム・ノグチ(野口勇)などと関係があったそうです。
やがて二人は離婚、その後また復縁します。最初の結婚のとき、事故の後遺症でフリーダは2度流産しています。その苦しみも彼女の作品に大きな影響を与えました。
フリーダはパリやニューヨークで個展を開き、やがて作品が認められるようになっていきましたが、事故の後遺症は長年全身を蝕み、1954年47歳で短くも激しい人生を終えました。

フリーダの作品からは、さまざまなものが伝わってきます。
愛情、憎悪、苦悩、痛み、喜び、悲しみ、慈愛、母性への憧憬・・・民族的、政治的、宗教的色合いも濃く、あからさまな感情表現に、見るものを戸惑わせるほどの激情が伝わってきます。
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自身の肖像画も多く、どれも民族衣装を纏っています。ディエゴがメキシコの民族衣装を着るようにと言ったのもあるそうですが、母方から受け継ぐインディオの血がそうさせたのでしょう。
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民族衣装を纏ったフリーダの表情は凛として理知的、心は凪ぎいているように見えます。様々な感情を表現したシュールレアリズム的な絵画に込められた剥き出しの感情とのバランスを取ったのでしょうか。自身と向き合う肖像画を描くことにより、心を浄化させたかのように穏やかな気配が伝わってきます。

会場を後にしたときは、まるで長編ドラマを観終わった後のような、疲労感を覚えました。フリーダの作品と濃厚な人生を余すことなく伝えきった秀逸な特別展でした。
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